フランスのビートメイカーでHip HopグループKalhexのMC・プロデューサーを務めるLex (de Kalhex)。昨年末に来日した際にはカナダの伝説的MCであるMathematik (Down Ta ERF)と共にライブを行い話題となった。Mathematikの最新アルバムでは楽曲をLex (de Kalhex)がプロデュースするなど精力的に活動を行なっている彼の8枚目となるソロインストアルバムがLPでリリース！

今回のタイトル「Quiet Elevation」は「Chill」ビーツのトレンドに対して、音楽を聴くという内面的でアクティブな音楽体験を意味している。それは昨今の聴き流す音楽ではなく、しっかり聴いてもらえる音楽という彼なりのアプローチである。

またタイトル自体はアーティストのアパレルへの興味を反映したもので、ファッションの最近のスタイル（quiet luxury / casual elevation）との言葉遊びとなっている。「控えめなエレガンス」「洗練されたシンプル」「上質な素材」それはパリ在住である彼の環境や、アパレル業界とも関わりが深い彼ならではのタイトルであり、Lex (de Kalhex)の音楽にも通づるものがある。
一見静かでメロウなヴァイブスは、Lex(de Kalhex)のヘヴィなドラムと見事な調和を生み出し、常に新しいテンポの探究が行われている。それは決して派手ではないが、洗練されたシンプルさを持つ彼の音楽を表現しており、2011年以降、彼が昇華させ続けてきた独自のディープで瞑想的なサウンドを意味している。

またAlex Besikianという名義でミュージシャンと並行してビジュアルアーティストとしてのキャリアを15年以上続けている。日本でも何度も個展を開催しており、日本を代表するグラフィックアーティストの一人でもある伊藤桂司とも親交が深く、個展を行い共作を発表するほどである。
また、最近では日本のブランド「Sillage」ともコラボレーションアイテムをリリースするなど、ビジュアルアーティストとしても精力的に活動を行っている。今回のアルバムは彼のドローイング作品と音楽を組み合わせた初の作品でもある。